Memorandum

主に観た映画(新作、旧作)の備忘録。目指せ1000

「リミット」鬼の一人芝居。

 

監督は、スペイン人のロドリゴ・コルテス、主演はライアンレイノルズ。

原題は「BURIED」(生き埋めの意)

 

映画『[リミット]』予告編 - YouTube

 

非常に簡単なあらすじを書くと、

イラクで働くアメリカ人ポールが目が覚めたら木製の棺に入れられ土の中に

手元には自分のものではない携帯、ライター、ナイフ、ペン、酒

果たして脱出できるのか?

というストーリーです。

 

設定だけ聞くと、残されたアイテムと知恵を使った脱出ゲームのようなものだと想像し、そして、こんな目にあわせた悪いやつは誰だ!!とその正体に驚愕するパターンかと思いますが、見事に裏切られます。

 

まさかの全編ほぼずっと暗い棺桶の中で窮屈そうにひとりもがいているシーンです。

さぞかし予算はかからなかったんだろうなとおもいます。

顔アップばっかりなので、ライアンレイノルズがブサイクだったら間違いなく大コケしていたと思います。

焦燥感、苛立ち。。募る感情を究極的に狭い箱の中でここまで演じ切れるかというところで見応えがあります。

声だけの出演を含めて出演者が非常に少なく、ここまでワンシチュエーションで展開する映画は、知っている範囲では、「12人の怒れる男たち」くらいです。

暗所恐怖症、閉所恐怖症の人にはおすすめしません。

 

以下ネタバレありで考察しています。

 

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「セッション」感想

PCが壊れたので更新が滞ってました

ついに(といってもだいぶ前)netflixもデバイスダウンロードに対応し始めましたね。

対応している数はまだこれから増えると思われますが、「いつでもどこでも映画やドラマを」という流れが加速しているように感じます。

 

というわけで、「セッション」です。

監督はダミアン・チャゼル。

2014年にアカデミー賞を取っています。

鬼教師を演じたJKシモンズも助演男優賞です。

  

大雑把な話としては、音大生のアンドリュー・ニーマンと教師のテレンス・フィッチャー(J.K.シモンズ)のドラマです。

教え子を一流に育て上げたいフィッチャーと、音楽で生きて行きたいニーマンの、苛烈なレッスンとその先に行き着いた境地を描いています。

 

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感想を一言でいうと、緊張感を作り出すのが異様に上手いです。 

見ていてとても疲れます。

 

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「ゴーストバスターズ(2016)」感想

 最近どんどん遅筆になっているので、もっと軽い文章をさっさとあげた方がよいなと思い始めてます※本記事は3ヶ月くらい前にみたやつです。。

 

はい。キャッチーなテーマソングとロゴでおなじみのゴーストバスターズです。

 

初代から32年経てリメイクされました。
wikiによると、リブート版と呼ばれるそうで。
リブートとは「シリーズにとって核となる要素とコンセプトを整理することで、あらゆる「不可欠でない要素」を取り除く事を可能にし、シリーズをやり直す手法である 」だそうです。

せっかくなので、初代ゴーストバスターズも見た上でいろいろ比較してみたいと思います。(2は未視聴)

公開前レビューは散々だったようですが、特に初代に思いいれもないので、なるべく公平に。。。

 

監督は、1984年版(以後初代)はアイヴァン・ライトマン、2016年版(以後リブート版)はポール フェィグです。

 

お化けオタクのおばさん3人組(後に4人組に)がお化け稼業に勤しむうちに、NYを脅かす大いなる陰謀に気付き…という話です。

 

 

 

以下、感想を述べていきます。

内容に触れていますのでご注意を。

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「シン・ゴジラ」感想 

久々の邦画です。

巷で話題の「シン・ゴジラ」。

監督は、エヴァンゲリオンでおなじみの庵野秀明監督です。

 

感想を一言…ゴジラは災害。

 

ゴジラとの関わりといえば、幼少期に親の影響で見ていたゴジラゴジラモスラガメラキングギドラキングコングなどなど豪華絢爛な怪獣たちの華々しい戦いが遠い記憶にあります。

ちなみにエヴァはノータッチなので、その辺りについての今作との関連にはふれません。

 

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以下感想です。内容に触れています。

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「レクイエム・フォー・ドリーム」感想 最強の鬱映画。

感想を一言、、見ていてとても痛々しい映画。

ホラーじゃないので怖いわけではないけど、「きついな」というのが正直な感想。

非常に強烈なインパクトを受けました。

 

2000年公開、原題は"Requiem for a dream"。

監督は、「ブラックスワン」などを手がけた、ダーレン・アノロフスキーです。

ブラックスワンでもそうですが、グロいわけではないけど心理的に嫌な描写をするのがうまい監督だと思います。

 

ドラッグを題材として、老若男女4人がそれぞれどういう道を辿ってしまうのかという話です。

メインの老若男女4人とは、未亡人で孤独なサラ、サラの一人息子のハリー、その友達で黒人のタイロン、ハリーの恋人のマリオンです。

サラは古いアパートに一人暮らししていて、いつも独りでテレビばかり見ています。ハリーは就職もせず、タイロンとヘロインを吸う生活です。ある日、タイロンが薬の転売でお金儲けをすることを提案します。商売はうまくいき、お金はどんどんたまります。ハリーはマリオンと洋服屋を営む夢を追いかけるようになります。

一方、サラは大好きな番組の出演者に当選したとの連絡を受けます。はりきって、ハリーの高校卒業時に来た赤いドレスを着ようとしますが、テレビをみてお菓子を食べるだけの生活で太ってしまっていました。ダイエットを決意し、友人の娘が使っていたというダイエットピルを使い始めると、みるみる痩せていきます。

こうして、4人の人生は夢に向かって順調かと思ったが。。

というお話です。

 

予告編はネタバレ全開なので、BGMはります。

いい映画はBGMが印象的です。

 

Requiem For A Dream Full Song HD - YouTube

 

以下詳しい感想です。内容に触れています。

 

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「ボーンアイデンティティ」感想

感想を一言…ボーンて名前だったんだ。。

 

 

アマゾンプライムは、各種デバイスにダウンロード可能なので、オフラインでも見られるのが良い点ですね。

 

シリーズもになっているボーン・アイデンティティ。有名ですが、全くノータッチだったので、前情報一切なしです。

 

2002年公開、監督はダグ・リーマンです。本作の続編となる、ボーンスプレマシーや、Mr. & Mrs. Smithなどを手がけています。

主演はマットデイモン。

 

 

主人公のジェイソンボーン(マットデイモン)は、海を漂っていたところを助けられます。記憶を失っており、手がかりは尻に埋め込まれていた銀行口座だけ。その銀行に向かうも、命を狙われ、たまたまそこにいた女性マリーを巻き込んで逃避行が始まる…という感じのお話です。

 

 

主人公の名前を取ってボーン・アイデンティティなんですね。てっきりbornの方かと思ってました。

同じくマットデイモン出演作でグッドウィルハンティングも、最初は名前だと知らず、ハンティングする映画かと思ってました。

 

どうでもいい感想失礼!!

 

以下感想を述べていきます。内容に触れていますので注意。

 

 

 

 

 

全体的には、今までありそうだったけど実はなかった映画という印象です。

 

映画の定番ネタである記憶喪失に、これまた鉄板ネタのスパイものを組み合わせています。

その割には…というかそのためか?結構地味。最近そんな感想ばっかりですね。でも決して悪口を言っているわけではありません。

 記憶喪失という設定を存分に生かして、ボーンに共感できるようなストーリーになっていて、地味なのも必然的なことなのです。

 

ボーンは記憶がないので、目の前にある手がかりから先が見えない状況でたどるしかないし、何か危ないことが起きたら、よくわからないけどなぜか備わっている戦闘力や危機回避能力で切り抜けるしかありません。

危ない!逃げなきゃ!倒さなきゃ!という極めてシンプルな行動原理に基づいて行動していて、そこに善意や悪意、ためらいはないのでとてもわかりやすいです。

 

また、何か起きる度に、少しずつ自分のことや状況を察したりするようになります。
この「察する」というのがポイントで、本当に何者か、何が起きたのかということがはっきりと言葉で語られるのは終盤になります。
だから、ボーンが自分のことを知るのと、観客がボーンのことがわかるのが同じタイミングになっています。

 

記憶を失って神経質になっていることに加え、何より見た目も冴えません。

「私のことなんてすぐに忘れるでしょ」というマリーに対し、「忘れるわけはない。知り合いは君しかいないんだから」というボーン。

このセリフによって、マリーも彼と行動することを決心するし、見ている自分たちもボーンに同情に似た気持ちを覚えるのです。

 

この何重かの仕掛けによって、今までにない「共感できるスパイ像」が完成しました。

華やかな出で立ちで相手をなぎ倒し、手際よく女性を転がすようなスパイなら、カッコいいとは思われても共感は得られません。

 

そんなストーリーに合わせて、天気も、終始どんよりとした曇りっぽい感じまたは夜で、最後のシーンだけきれいに晴れていました。

 

記憶喪失をうまく生かしている点がもう一つあります。

見ている側は、シンプルな原理に従って行動するボーンだけでなく、なぜかボーンを殺そうとするCIAの画策も見ています。

自宅に戻ったら危ない、世界中からCIAの諜報員が集まって狙われていることかわかっています。ボーンがあんなに神経を尖らせているのに、間違いなくそこにいたら襲われるということがわかるので、緊張感があります。そこにいたらやばいだろ!っていう。

 

【超一般ピープルマリーさん】

本作のヒロイン、マリーについて。

超巻き込まれ型です。本当に全く関係ない、ただ近くにいてお金に困っていただけなのに、よくわからん人を車に乗せるハメになり、指名手配され、目の前で人が死に、と稀に見る不運な方です。

こういう映画だと、女性の場合、戦闘力が高いか、戦闘力が高くなくても機転の利くスーパーアシストをするか、主人公の愛を一身に受け陰ながら支えるタイプの人(または人質とかになって主人公の足を引っ張るタイプ)と分類できそうですが、この人はどれにもあてはまりません。一歩下がったところから、やや引きながら見ているタイプの一般ピープルです。

作中で、マリーの意思が介在する場面は本当に少ないです。

 彼女の行動原理は、「それしかなくて仕方なく」です。

珍しくて、そして良いキャラですね。とても好感が持てました。

 

 

【雑記】

CIA側は、ボーンが記憶喪失だと知らないはずなので、その割には様子のおかしいボーンに対してペラペラと大事なことを話すなぁと思います。

 

ストーリーの進行はやや遅めです。基本的には襲われる→逃げるの繰り返しなので。

 

銀行口座を尻に埋め込んだ理由はなんだろうと思います。

超優秀だから普通に番号くらい覚えられそうですけど、、記憶喪失の想定でもしてないと体内に直接埋め込む発想にはならないのでは…

証明のために銀行いってケツ出すんですかね?(そんな描写はなかったが)

3000万ドルかけて育成したスパイの割にはなんか哀しい…笑

「きっと、うまくいく」感想

Aal〜 IIz〜 Well〜 ヒュイヒュイヒュイ(口笛)
 
そういえば、遂にアマゾンプライムにも手を出しました。
 
2009年公開、日本でもとても話題になったインド映画です。

監督はラジクマール・ヒラニ、原題は3 idiots。

 
予告編が言葉わからないので歌パートを。。
 
感想…超絶おすすめ!
今年見た中では1番かもしれません。
 
大学の同級生3人(ランチョー、ファルハーン、ラジュー)が送る、笑いあり涙ありの大学生活と、卒業後姿をくらましたランチョーを、10年後探す話です。
 
邦題の「きっとうまくいく」という言葉は、劇中の歌にも入っている「all is well」という言葉で、困難な時にはこの言葉を自らに唱えようという言葉です。
心はとても臆病だから、これを唱えることで、困難を無視する勇気がでる言葉です。
 
 
一貫したストーリーというよりは、様々なエピソードを通して喜びや悲しみ、怒り、楽しみ、愛情、後悔、いろんな感情を描いています。
驚くような展開があるわけではなく、ある意味ベタっちゃベタです。でも、とっちらかっているわけではなく、セリフやエピソードがきれいにつながって、最後はおさまるべきところにきれいにおさまっていきます。素晴らしいストーリーです。
見返したり、歌をきくだけで楽しい気分がよみがえります。
 
【自分らしく生きる】
この映画のテーマは、自分らしく生きるとは何か?ということです。
 
3バカの主人公ランチョーは自由人で、人生哲学をしっかりもっています。大学の教育方針に対して疑問を持ち学長には喧嘩を売りまくりです。でも、無敵な変人というわけではなく、人間らしさはちゃんとあって、根底には優しさが溢れています。
そんなランチョーにファルハーンとラージュも影響を受けます。
 
生きるとは、幸せになるとはどういうこと?
自分の人生は自分が生きる、理想を追い求めることが人生なのでは?
例え理想や夢がなくても、今自分を縛っている何かは解放しなくちゃ!
そんなことを言っている気がします。
 
自分らしく生きるって言葉でいうのは簡単ですし、いい言葉です。でも自分らしく生きるってわがままに生きるとも違うし、怖さや痛みから解放されることでもありません。 
現実的には、家族もいるし仕事や勉強もあるし、何もないところに踏み込んでいくのは怖いし、人にどう思われるかが気になってしまう。
勇気もいることだし失敗したり痛いこと辛いこと笑われたりすることがあるかも。
目の前の状況を辛くても投げ出さずにいるのが大人という考え方もあります。
 
けど、結局自分の人生をどうするか決めるのは自分。自分が幸せになるも、マヌケになるも自分次第。 勝つとか負けるとか、逃げるとかじゃなくて、何が自分にとって一番なのか?
自分の人生を生きる勇気をくれる映画でした。
 
 
【社会問題への切り込み】
この映画のもう一つの側面が社会風刺です。
本作では、インドがどんどん発展する中で、過熱する学歴社会や若者の自殺率の増加、貧富の差を問題として浮き彫りにしています。カースト制度にもチクリと言っています。
学校が点取り教育に傾倒したり、人生は競争だ〜なんて言葉が飛び出てくるのは、社会構造がそうなってしまっているから。悪いのは人ではなく社会構造だ、だから是正すべきは教育だ、と述べています。
成功ではなく優秀さを目指せ!と。
 
勧善懲悪の話ではないので、競争社会を人生の原理として生きている者にもある程度(申し訳程度?)の敬意を払います。
3人が通うICE工大の学長であり、3バカを目の敵にしている学長は、憎たらしい人物として描かれるも、彼自身を笑いものにしたり貶める描写は意外に少ないです。
こういう映画だと、だいたいこういう人が痛い目にあって終わるのが普通だと思うのですが、そんな単純な成敗でカタをつけたいわけじゃないようです。
学長にも家族があり、科学に対する信念があり、人生があるのです。
 
ガリ勉でこれまた競争社会の申し子的存在で、笑い者にされているチャトルも同様です。10年後はランチョーには及ばないけど、大きい会社の副社長になって、家族もいて不幸そうな様子はなく意外と成功している。これもまたその人の選ぶ人生だなと思います。
チャトルうざいですけど。笑
 
学長の娘で本作のヒロインであるピアの婚約者(スハース)は、人を損得勘定でしか見ず、お金でしか物の価値を計れない男なので、作中ではいいところが全くありません。
こんなマヌケな奴にはなるなっていうことですね。
 
【インド映画】
 インド映画産業のことを指していう言葉に、「ボリウッド」という言葉があるそうです。ムンバイの旧称ボンベイとハリウッドを掛け合わせた言葉です。
それほどインドの映画産業は発達していることを表しています。
 
インド映画をちゃんと見たのは初めてですが正直すごく面白くて俄然興味が湧きました。
インド映画って踊ったり歌ったりするイメージしかなかったのですが、
演技力の高さや、見せ方のうまさ、セリフ回しの面白さやテンポの良さどれをとってもすごかったです。踊りや歌も、登場人物の心情や話の流れにうまくそっています。すごく面白いし、クオリティも高いと思います。
 
ただ言葉が不思議です。インド映画だから全部ヒンドゥー語なのかと思いきや、英語っぽいのも混じってたり。インド映画の市場拡大に伴う策なのでしょうか。
 
個人的なお気に入りは、ラージュの家のシーンです。貧しくて昔風の家なのでモノクロで表現されています。
 
もうひとつ付け加えておきたいのが、主人公ランチョーを演じたアーミルカーンについてです。目力が強くて、演技や表情がすごく目を引いたので、気になって調べてみました。

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あれ?だいぶおじさんだな。。って
なんと現在51歳!!!まじか(撮影当時は44歳)
 
インド人は日本人にとって年齢不詳なところがあるとはいえ思い切った配役…
 
この写真だと、結構いいおじさんですけど、劇中ではとても44歳には見えませんでした。撮影中は1日水を4リットル飲んでフレッシュさを保っていたとか。。意味あるのかなそれ?
 
学生役ならもっと若い俳優もいただろうに、わざわざ起用したということは、彼自身の中にある若さみたいなものがあるからなのでしょうか。
インドでもトップ中のトップの役者らしいです。どうりでオーラが違うわけだ。。
この人を知ったのがもしかしたら最大の収穫かも。