読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Memorandum

主に観た映画(新作、旧作)の備忘録。目指せ1000

「ズートピア」感想

映画(洋画)

ディズニーとピクサーの違いを説明できる人いますかね?軽くググってみた感じだと、ピクサーとディズニーはアニメーション会社としては別物だけど、ディズニーが配給を行っているらしいです。あってますかね、、

ピクサー作品はトイストーリー、ニモ、モンスターズインクとかで、
ディズニーは最近だとアナ雪とかベイマックスとか、今回とりあげるズートピアとかです。
 
どうでもいいけど就職したから映画高くなったなぁ…
 
 
感想を一言。。
 
ズートピア=アメリカ。
 
以下感想をのべていきます。内容に触れています。

 

【擬人化の巧さ】
主人公は警察官のウサギジュディと詐欺師のキツネニックです。ディズニーとかピクサーは動物アニメーションに一日の長があります。人間がやるとクサすぎる芝居でも、動物に託すことで、明るく可愛く見せつつもメッセージ性があります。
単純に人間社会の問題を擬人化しているのではなくて、実際の動物の習性とクロスオーバーさせているのが上手いと思います。人間が他の人の本質だと思うことを、「バイオロジー(生態?)」と言い換えたりして、その擬人化が上手いのでストーリーとしては大変わかりやすいです。
 
では、どんなメッセージが込められているのでしょうか?
 
ズートピア=アメリカ】
ズートピアは明らかにアメリカです。アメリカの現実あるいはイメージそのものだと考えても良いかと思います。
いろんな人種(動物)が共存して、何でもなりたいようになれる世界と言われつつも、実際には同族が固まって暮らし、差別と偏見に満ち、仲が良くありません。なりたいようになれる世界では必ずしもありません。表向きはよく見せているということ自体もそうですね。
 
黒人差別のようなあからさまなものでなくても、異なる性別や人種への対応だったり、◯◯人はこうであるという先入観など、そういった日常的なレベルの偏見で満ちています。
 
先入観というと悪い言葉のように聞こえますけど、情報があふれる現代では、人は、見た目や属性などからその物事を見てある程度その中身を推測します。その推測は実際に自分が生きてきた経験から得るもので、あまりに煩雑な日常を避ける上で皆何気なく使うテクニックです。
だから、思い込みや偏見を排することは不可能です。自分では思い込みや偏見がないと思ってても偏見を持っているし、それに気付くことすら難しい。ニックがそうであったように、偏見や先入観で見られてしまうのなら、それが自分の本質でなかったとしてもいっそ自分をそれに近づけてしまえば良いとなってしまいます。
ジュディの会見後、偏見を鋭く指摘するニックの言葉が象徴的です。ジュディはあなたは彼らとは違う、というけど、その時点で「彼ら」をひとくくりにして判断してしまっている、と指摘するのです。
 
そういった差別や偏見にまず気付かないとダメだよ、というのがメッセージだと思いました。
 
作中でも「ずる賢いキツネ」「バカなウサギ」「トロいナマケモノ」とか、動物へのイメージを、実際の差別、先入観に翻訳しています。
最後のシーン、暴走車の運転手がナマケモノだったというのもいいオチだったと思います。
 
余談ですが、zutopia = zoo + utopia なので、外からみた自分たちの世界がユートピアと言いきるのがアメリカらしいっちゃらしい。すごい自信満々というか。。そしてあれがアメリカなら、お父さんとお母さんの暮らしている田舎はどこなんでしょう?
 
【副市長ベルウェザーの行動について】
今回の黒幕は、羊の副市長でした。副市長という役職についてはいましたが、それは単純に市長にとってその方が都合いいからでした。人気取りに利用され、過小評価される弱い立場に嫌気が差していた副市長は、肉食動物に野生に帰る薬を打ち込み、人口(?)の大多数を占める草食動物の恐怖を煽ることで肉食動物たちの排斥を図りました。
 
これをどう捉えるかって難しい問題だと思います。
まずは、今作のメインテーマである差別の一つの形で、肉食動物に対する一種の逆差別と捉えられます。力では強いものに対して、優遇など求める差別化です。最後には逮捕されてしまうという結果から、こうみるのが普通です。
 
別の見方としては、彼女の行動はある意味テロ的でもあります。弱い立場に立たされており、社会に対する不満が爆発して抗いました。こういう行動はしばしばテロと見なされたりしますよね。
でも、恐怖を煽って世論を操作しようとしているのはそういった弱い人たちだけでないことはみんな知ってると思います。そういうのは「正義」とも呼ばれたりします。
その違いって、結局元の立場の強さの違いでしかないですよね。ある意味差別と戦おうとした羊たちからしてみると結局勝ち取れなかったわけですし(方法が悪いと言えますが)、羊たちはテロを起こすものと見なされて肩身の狭い思いをして今後暮らしていく、ということも起こり得ます。ある意味、やはり弱者は弱者のまま、という現実でもあるのです。
 
一つ言えば恐怖による排斥を狙うなら、全ての肉食動物に薬を打ち込む必要性がないのではないかと思いますが…笑
 
【雑記】
内容があるようで全くないアナ雪と異なり、子供向けアニメに大人の世界を持ち込んだことが今作のポイントかなと思います。思ったよりかなりテーマは社会的で、テンポがよく子供はもちろん大人まで楽しく鑑賞できると思います。
そういえば、劇中でさりげなくアナ雪をネタにしていましたね。let it go = あきらめる。です。
 
あと、これはもう好みなので仕方ないんですけど、やはり最近のディズニーCGアニメのあの顔があまり受け付けない。ドヤ顔が。。
ウサギはいちいち落ち込んだり責任感じたり、大げさすぎるというか面倒くさいと感じなくもないので、キャラ人気は専らニックに集まりそうですね。
 
最後に、劇中の挿入歌はSHAKIRAが担当しています。エンディングで踊っているシーンはアニメとは思えないくらいヌルヌル動いていますね。技術の進歩すげーと思います。