「ボーンアイデンティティ」感想
感想を一言…ボーンて名前だったんだ。。
アマゾンプライムは、各種デバイスにダウンロード可能なので、オフラインでも見られるのが良い点ですね。
シリーズもになっているボーン・アイデンティティ。有名ですが、全くノータッチだったので、前情報一切なしです。
2002年公開、監督はダグ・リーマンです。本作の続編となる、ボーンスプレマシーや、Mr. & Mrs. Smithなどを手がけています。
主演はマットデイモン。
主人公のジェイソンボーン(マットデイモン)は、海を漂っていたところを助けられます。記憶を失っており、手がかりは尻に埋め込まれていた銀行口座だけ。その銀行に向かうも、命を狙われ、たまたまそこにいた女性マリーを巻き込んで逃避行が始まる…という感じのお話です。
主人公の名前を取ってボーン・アイデンティティなんですね。てっきりbornの方かと思ってました。
同じくマットデイモン出演作でグッドウィルハンティングも、最初は名前だと知らず、ハンティングする映画かと思ってました。
どうでもいい感想失礼!!
以下感想を述べていきます。内容に触れていますので注意。
全体的には、今までありそうだったけど実はなかった映画という印象です。
映画の定番ネタである記憶喪失に、これまた鉄板ネタのスパイものを組み合わせています。
その割には…というかそのためか?結構地味。最近そんな感想ばっかりですね。でも決して悪口を言っているわけではありません。
記憶喪失という設定を存分に生かして、ボーンに共感できるようなストーリーになっていて、地味なのも必然的なことなのです。
ボーンは記憶がないので、目の前にある手がかりから先が見えない状況でたどるしかないし、何か危ないことが起きたら、よくわからないけどなぜか備わっている戦闘力や危機回避能力で切り抜けるしかありません。
危ない!逃げなきゃ!倒さなきゃ!という極めてシンプルな行動原理に基づいて行動していて、そこに善意や悪意、ためらいはないのでとてもわかりやすいです。
また、何か起きる度に、少しずつ自分のことや状況を察したりするようになります。
この「察する」というのがポイントで、本当に何者か、何が起きたのかということがはっきりと言葉で語られるのは終盤になります。
だから、ボーンが自分のことを知るのと、観客がボーンのことがわかるのが同じタイミングになっています。
記憶を失って神経質になっていることに加え、何より見た目も冴えません。
「私のことなんてすぐに忘れるでしょ」というマリーに対し、「忘れるわけはない。知り合いは君しかいないんだから」というボーン。
このセリフによって、マリーも彼と行動することを決心するし、見ている自分たちもボーンに同情に似た気持ちを覚えるのです。
この何重かの仕掛けによって、今までにない「共感できるスパイ像」が完成しました。
華やかな出で立ちで相手をなぎ倒し、手際よく女性を転がすようなスパイなら、カッコいいとは思われても共感は得られません。
そんなストーリーに合わせて、天気も、終始どんよりとした曇りっぽい感じまたは夜で、最後のシーンだけきれいに晴れていました。
記憶喪失をうまく生かしている点がもう一つあります。
見ている側は、シンプルな原理に従って行動するボーンだけでなく、なぜかボーンを殺そうとするCIAの画策も見ています。
自宅に戻ったら危ない、世界中からCIAの諜報員が集まって狙われていることかわかっています。ボーンがあんなに神経を尖らせているのに、間違いなくそこにいたら襲われるということがわかるので、緊張感があります。そこにいたらやばいだろ!っていう。
【超一般ピープルマリーさん】
本作のヒロイン、マリーについて。
超巻き込まれ型です。本当に全く関係ない、ただ近くにいてお金に困っていただけなのに、よくわからん人を車に乗せるハメになり、指名手配され、目の前で人が死に、と稀に見る不運な方です。
こういう映画だと、女性の場合、戦闘力が高いか、戦闘力が高くなくても機転の利くスーパーアシストをするか、主人公の愛を一身に受け陰ながら支えるタイプの人(または人質とかになって主人公の足を引っ張るタイプ)と分類できそうですが、この人はどれにもあてはまりません。一歩下がったところから、やや引きながら見ているタイプの一般ピープルです。
作中で、マリーの意思が介在する場面は本当に少ないです。
彼女の行動原理は、「それしかなくて仕方なく」です。
珍しくて、そして良いキャラですね。とても好感が持てました。
【雑記】
CIA側は、ボーンが記憶喪失だと知らないはずなので、その割には様子のおかしいボーンに対してペラペラと大事なことを話すなぁと思います。
ストーリーの進行はやや遅めです。基本的には襲われる→逃げるの繰り返しなので。
銀行口座を尻に埋め込んだ理由はなんだろうと思います。
超優秀だから普通に番号くらい覚えられそうですけど、、記憶喪失の想定でもしてないと体内に直接埋め込む発想にはならないのでは…
証明のために銀行いってケツ出すんですかね?(そんな描写はなかったが)
3000万ドルかけて育成したスパイの割にはなんか哀しい…笑