Memorandum

主に観た映画(新作、旧作)の備忘録。目指せ1000

「ハンガーゲーム」 感想

全米では記録的な大ヒットとなった「ハンガーゲーム」。(原題:The Hunger Games)

2008年のスーザン・コリンズの小説が原作で、2012年に公開され、監督はゲイリー・ロス

現在は「ハンガーゲームファイナル」まで公開されています。

 

世界にひとつのプレイブック」でも主演を演じている、今をときめくジェニファー・ローレンスが主演ということでも注目されています。

 

感想を一言・・・どこかで見たことあるような筋書き?

 

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日本ではそこまで注目されていませんが、全米では年間トップ3とかには入っているみたいです。

 

以下感想を述べています。※内容に触れています。 

 

 

 

 

【米国版バトロワ?】

簡単な筋書きとしては、近未来の独裁国家となったアメリカで、かつての反乱の戒めのため、全12地区から未成年の男女1名ずつ選出し、最後の一人になるまで殺しあう殺人サバイバルが行われる、という感じなのですが、どこかで見たことあるような設定ですよね?

結構前に日本でも流行ったバトルロワイアルです。当時自分は小学生か中学生くらいだったので、結構話題になっていた記憶があります。

ただ殺し合いをさせられるだけでなく、奥の方で監視されていて、プレーヤーが動かされているところも共通しています。

話が進む中で、目の前のプレーヤーと戦うだけでなく、その後ろにある体制に対する批判や革命の動きが見えるようなところもあります。

 

バトロワとハンガーゲームは非常に共通点が多いと思ったし、対象とする年齢も中高生が同じと重なっていますが、パクリかどうかについての議論は致しません笑

 

【娯楽としての「ハンガーゲーム」】

ハンガーゲームは、反乱の戒めとして始まったゲームですが、その世界では完全にバラエティ番組となっています。インストラクターがつき、プレーヤー紹介ではスタイリストがついて各チームド派手に登場し、軽いノリの司会者と軽妙なトークを交わし、好感度の高いプレーヤーにはスポンサーが付きます。お金持ちの富裕層のような人は、嬉々として成り行きを見守っています。

 

この「バラエティ番組」としてのハンガーゲームが今回のポイントで、いかに観客ウケしながらサバイバルしていくかも考えてやっていかなければなりません。サバイバルで苦しみながらもその強さで生き抜く姿を皆期待しているということですね。

主人公のカットニスは、特技披露のところで、得意の弓矢を使って一気に強さを知らしめましたし、ゲーム中では同郷のピーターと恋人を演じることで、悲劇の主人公として支持を集める作戦を立てます。こういうストーリーでは、男女の仲を持ってくることは常套手段と言えますが、それをあえてはっきりと作られたものと謳っていることで、よりゲームのような戦略性を感じますし、見ている私たちも、ゲームをやっているかのような錯覚を覚えます。そのゲーム性が中毒性をもたらしているのだと思います。

 

「本当はそうではないのに、観客受けのために演出を施す」というのは通常のバラエティ番組とあまり変わらないですね。

ところでスポンサーって誰なんでしょう。。。

 

【設定やストーリーについて】

少々強引な部分があるので、すんなりと楽しめるかどうかはその人次第と言えます。ストーリーに奥深さを求める人にはあまり向いていないと思います。

まず、「ハンガーゲーム」がバラエティ番組であるというところがこの映画では重要なポイントであると述べましたが、他の人はさほどスポンサー受けを工夫しているようには見られません。登場した瞬間にぶつかり合わない方が良いなんて誰でもわかりそうなのに、主人公たちがしているような工夫をしている様子があまり見られません。他のプレーヤーに焦点はあまり当たらないです。

また、観客ウケが重要としながらも、猛毒の実や凶悪な蜂など、それで死んでも面白くなさそうな要素がいくつかあるのが気になります。他のプレーヤーを効率的に排除するためのものと思えてすこし興ざめしてしまいます。

貧しい地区の人としては、若者が駆り出され死にゆく様を見せられるのは非常に苦々しいものだと思いますが、意外にもどこの地区でも見られている人気番組のようで、そのことが今後の革命の芽吹きにつながっていくのでしょうけど、普通なら不快で見られないような気がします。

最後に、度重なるルール変更についてですが、他の地区出身者もそれなりに同郷のプレーヤーには絆が感じられるし、そこで恋人になるみたいなのって普通に今までもありそうなのに、第1回じゃあるまいし突然主催者側が慌て出すような展開には「?」となります。

 

ここまで割とストーリーを批判的に書いてしまいましたが、次回以降に向けて、いろんな要素を盛り込んだ設定の解説と、体制革命に向けた動きがあるようなことを匂わせるということが目的というような感じですので、細かいことを考えずに、ちょっとファンタジーかつダークな世界を楽しむにはちょうどいいかと思います。

そしてジェニファーローレンスは、芯の強い気迫のある女性を演じさせたらすごいですね。