「きっと、うまくいく」感想
Aal〜 IIz〜 Well〜 ヒュイヒュイヒュイ(口笛)
そういえば、遂にアマゾンプライムにも手を出しました。
2009年公開、日本でもとても話題になったインド映画です。
監督はラジクマール・ヒラニ、原題は3 idiots。
予告編が言葉わからないので歌パートを。。
感想…超絶おすすめ!
今年見た中では1番かもしれません。
大学の同級生3人(ランチョー、ファルハーン、ラジュー)が送る、笑いあり涙ありの大学生活と、卒業後姿をくらましたランチョーを、10年後探す話です。
邦題の「きっとうまくいく」という言葉は、劇中の歌にも入っている「all is well」という言葉で、困難な時にはこの言葉を自らに唱えようという言葉です。
心はとても臆病だから、これを唱えることで、困難を無視する勇気がでる言葉です。
一貫したストーリーというよりは、様々なエピソードを通して喜びや悲しみ、怒り、楽しみ、愛情、後悔、いろんな感情を描いています。
驚くような展開があるわけではなく、ある意味ベタっちゃベタです。でも、とっちらかっているわけではなく、セリフやエピソードがきれいにつながって、最後はおさまるべきところにきれいにおさまっていきます。素晴らしいストーリーです。
見返したり、歌をきくだけで楽しい気分がよみがえります。
【自分らしく生きる】
この映画のテーマは、自分らしく生きるとは何か?ということです。
3バカの主人公ランチョーは自由人で、人生哲学をしっかりもっています。大学の教育方針に対して疑問を持ち学長には喧嘩を売りまくりです。でも、無敵な変人というわけではなく、人間らしさはちゃんとあって、根底には優しさが溢れています。
そんなランチョーにファルハーンとラージュも影響を受けます。
生きるとは、幸せになるとはどういうこと?
自分の人生は自分が生きる、理想を追い求めることが人生なのでは?
例え理想や夢がなくても、今自分を縛っている何かは解放しなくちゃ!
そんなことを言っている気がします。
自分らしく生きるって言葉でいうのは簡単ですし、いい言葉です。でも自分らしく生きるってわがままに生きるとも違うし、怖さや痛みから解放されることでもありません。
現実的には、家族もいるし仕事や勉強もあるし、何もないところに踏み込んでいくのは怖いし、人にどう思われるかが気になってしまう。
勇気もいることだし失敗したり痛いこと辛いこと笑われたりすることがあるかも。
目の前の状況を辛くても投げ出さずにいるのが大人という考え方もあります。
けど、結局自分の人生をどうするか決めるのは自分。自分が幸せになるも、マヌケになるも自分次第。 勝つとか負けるとか、逃げるとかじゃなくて、何が自分にとって一番なのか?
自分の人生を生きる勇気をくれる映画でした。
【社会問題への切り込み】
この映画のもう一つの側面が社会風刺です。
本作では、インドがどんどん発展する中で、過熱する学歴社会や若者の自殺率の増加、貧富の差を問題として浮き彫りにしています。カースト制度にもチクリと言っています。
学校が点取り教育に傾倒したり、人生は競争だ〜なんて言葉が飛び出てくるのは、社会構造がそうなってしまっているから。悪いのは人ではなく社会構造だ、だから是正すべきは教育だ、と述べています。
成功ではなく優秀さを目指せ!と。
勧善懲悪の話ではないので、競争社会を人生の原理として生きている者にもある程度(申し訳程度?)の敬意を払います。
3人が通うICE工大の学長であり、3バカを目の敵にしている学長は、憎たらしい人物として描かれるも、彼自身を笑いものにしたり貶める描写は意外に少ないです。
こういう映画だと、だいたいこういう人が痛い目にあって終わるのが普通だと思うのですが、そんな単純な成敗でカタをつけたいわけじゃないようです。
学長にも家族があり、科学に対する信念があり、人生があるのです。
ガリ勉でこれまた競争社会の申し子的存在で、笑い者にされているチャトルも同様です。10年後はランチョーには及ばないけど、大きい会社の副社長になって、家族もいて不幸そうな様子はなく意外と成功している。これもまたその人の選ぶ人生だなと思います。
チャトルうざいですけど。笑
学長の娘で本作のヒロインであるピアの婚約者(スハース)は、人を損得勘定でしか見ず、お金でしか物の価値を計れない男なので、作中ではいいところが全くありません。
こんなマヌケな奴にはなるなっていうことですね。
【インド映画】
それほどインドの映画産業は発達していることを表しています。
インド映画をちゃんと見たのは初めてですが正直すごく面白くて俄然興味が湧きました。
インド映画って踊ったり歌ったりするイメージしかなかったのですが、
演技力の高さや、見せ方のうまさ、セリフ回しの面白さやテンポの良さどれをとってもすごかったです。踊りや歌も、登場人物の心情や話の流れにうまくそっています。すごく面白いし、クオリティも高いと思います。
個人的なお気に入りは、ラージュの家のシーンです。貧しくて昔風の家なのでモノクロで表現されています。
もうひとつ付け加えておきたいのが、主人公ランチョーを演じたアーミルカーンについてです。目力が強くて、演技や表情がすごく目を引いたので、気になって調べてみました。
あれ?だいぶおじさんだな。。って
なんと現在51歳!!!まじか(撮影当時は44歳)
インド人は日本人にとって年齢不詳なところがあるとはいえ思い切った配役…
この写真だと、結構いいおじさんですけど、劇中ではとても44歳には見えませんでした。撮影中は1日水を4リットル飲んでフレッシュさを保っていたとか。。意味あるのかなそれ?
学生役ならもっと若い俳優もいただろうに、わざわざ起用したということは、彼自身の中にある若さみたいなものがあるからなのでしょうか。
インドでもトップ中のトップの役者らしいです。どうりでオーラが違うわけだ。。
この人を知ったのがもしかしたら最大の収穫かも。
「スポットライト 世紀のスクープ」感想
今年度のアカデミー賞受賞、トム・マッカーシー監督の「スポットライト 世紀のスクープ(原題:Spotlight)です。
カトリック教の神父による児童の性的虐待の隠蔽を、ボストンの新聞社スポットライトが暴くという、実際に起こった事件を基にした話です。
本作は、ジャンル分けが難しい映画で、サスペンスでもないしドキュメンタリー寄りかな?と思います。
感想を一言で言うと・・・地味だけど熱さを感じる。
ジャーナリズムや宗教に興味があればなお楽しめると思います。
以下感想を述べています。若干内容に触れています。
「ズートピア」感想
ディズニーとピクサーの違いを説明できる人いますかね?軽くググってみた感じだと、ピクサーとディズニーはアニメーション会社としては別物だけど、ディズニーが配給を行っているらしいです。あってますかね、、
ディズニーは最近だとアナ雪とかベイマックスとか、今回とりあげるズートピアとかです。
どうでもいいけど就職したから映画高くなったなぁ…
感想を一言。。
ズートピア=アメリカ。
以下感想をのべていきます。内容に触れています。
「プラダを着た悪魔」感想
感想を一言…女性向け。けど意外とシビアな話
2006年公開、デヴィッドフランケル監督の「プラダを着た悪魔」(原題:The devil wears prada)
邦題にひねりがなくて良いですね。
主演はアンハサウェイ、メリルストリープです。
日本だと女性に人気のあるイメージが強く、あまり自分はそこまで興味のあるジャンルではないかなと思っていましたが、
話がとてもしっかりしているのと、画面も華やかで目に優しいので(笑、食わず嫌いせずにみることをおすすめします。
以下感想を述べています。内容に触れています。
超ざっくり話すと、ファッションに興味のないライター志望の主人公アンドレアが、キャリアを積むためにファッション雑誌の会社に入り、編集長のミランダのアシスタントとして日々奮闘するお話です。
「最強のふたり」感想
公開は2011年、原題は「Intouchables」
監督はエリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ。
フランスの映画です。
多少相違はあるらしいですが、実話に基づいたストーリーです。
フランス語の映画を観たのは人生で2回目くらいです。「ウイ」とかしか言ってることわかんないですね。笑
感想を一言…じんわり心に来る映画。
筋書きとしては、富豪だが体が不自由な男(フィリップ)と、その介護をすることになった貧困層の黒人の青年(ドリス)の交流を描いています。
題材としては障害者を扱っていますが、
全体的に描写は良い意味で軽く、ストーリーはさらっと進んでいきます。というより、わざとそういう障害があることによる葛藤や苦悶を外しています。
あからさまなお涙頂戴や気まずさがないのでリアルさを感じられます。それでも、ストーリーの明るさに対して、すごく余韻の残るとても良い映画だと思いました。
「マイインターン」感想
洋画が日本に配給されるとき、邦題がつくことが結構ありますが、その改変必要かな?って思うこと誰でもあると思います。。
はい。2015年公開、ナンシー・マイヤーズ監督のマイインターンです。原題はThe Intern。
感想…ほのぼの。
華やかな雰囲気は出ていますが、映画としては意外と地味というか落ち着いています。
ずっと安心して見ていられるので、穏やかな気分になれる良い映画だと思います。
予告編です。日本語版と英語版での違いが興味深かったので、あえて両方入れました。
以下、感想を述べていきます。内容に触れています。